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展示設計って何?-その4:科学館をつくる

科学館の設計が出来るまで

科学館の計画も博物館の計画と同様に「建築計画」と、「展示計画」の二本立てで別々に進行し、それぞれ提案コンペなどで設計業者を決めます。
ここでは、科学館の展示設計のプロセスについてご紹介します。

科学館のテーマを決める

検討会の様子科学館を作る場合は、博物館と違い、通常は実物のコレクションは無いわけですから、最初にどのような内容について展示するかを決める必要があります。
科学館を作ろうとしている自治体の首長のツルの一声で決まる場合もありますが、通常は教育委員会などで、理科の先生などを交えて検討会を開き、理工系だとか、先端技術系だとかいうような基本的な方向が決められます。 基本的なテーマが決まると、具体的な展示アイテムの検討作業に入ります。有名な科学者を借りて名誉顧問などとしたり、大学の先生や地元の理科の先生などを交えて、設立準備室みたいな組織を組んで進められます。
こうした設立準備室で具体的な展示の方向性を決めて「基本構想書」を作成します。

展示の提案コンペ

その「基本構想書」を元にしてコンペ仕様書が作成され、展示業者に向けて「展示の提案コンペ」を行われます。
この提案コンペからが、私のような「展示設計者」の出番になります。コンペに対応して科学系に強いプランナー、デザイナーや、メカ装置、情報映像、グラフィック計画等の専門スタッフが集められ、プロジェクトチームが組まれます。
関係者がコンペ仕様書を何回も熟読して、アイデア会議を何回も、何時間も行い、具体的な展示の方向性と、どういう装置などで見せるかという事を詰めて行きます。
このあたりの作業が、私としては科学館を計画してゆく中で一番面白い作業です。自分が来館者になった時、こういう装置で楽しめるか?、情報を正しく理解出来るか?と考えて行くのです。
イメージだけの机上の空論ではダメなので、空間のデザインや、装置のデザインを考えながら、メカ担当者などと相談して、技術的に制作出来るか、安定して動かせるか、安全か・・など、いろいろな方向から検証して一つ一つのアイテムを決めて行きます。
こうして、全てのアイテムとレイアウト、デザインが決まったら図面を描き、完成予想のパースを描き、この提案の趣旨などの説明を付けて「展示提案書」としてまとめてコンペの締め切り日までに提出します。
こうして提出した書類を元に、後日説明会が開かれて、開設準備室のメンバーを前に、計画の趣旨を説明します。
そして、1〜2週間後ぐらいに採用か不採用かの連絡が準備室から届きくのです。・・・果報は寝て待て・・・

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※ここでご紹介している内容は一般的なプロセスであり、リブデザインが全てのプロセスに関わっているわけではありません。
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